呪いを本当に信じてるの?「呪詛」感想・ネタバレ|医師が思う呪いの正体とは?

映画好き医師の控室「呪詛」ネタバレ・感想のサイトサムネイル 映画

今回のテーマはNetflix original映画「呪詛」です!!

★3/★5 感想&ネタバレ「呪詛」を紹介!!

さて、今回、ご紹介するのはNetflix original台湾ホラー「呪詛」です!!

テーマは「呪い」です。
かなり怖く、映画でいうと「コンジアム」の様な作品が好きな方にはおすすめです!!

評価は★3/★5です!!!!

また、皆さんは「呪い」の存在を信じますでしょうか?
今回は、呪いの正体についても迫っていきたいともいます。

個人的な意見ですが、
最近不幸なことがあった方いいことがないと感じているような方
は、視聴を控えた方がいいかもしれません。

以下の項目にのっとって、話を進めていきたいと思います。

作品情報

タイトル:呪詛
    (原題:咒、英題:Incantation)
公開日:2022年
国:台湾
ジャンル:台湾、モキュメンタリー、ホラー
監督:ケヴィン・コー (柯孟融)
脚本:ケヴィン・コー(柯孟融)、チャン・ジャウェイ
対象年齢:全年齢向け
公式サイト:なし

出演者:

  • リー・ルオナン(ツァイ・ガンユエン、蔡亘晏):主人公、ドゥオドゥオの母
  • ドゥオドゥオ(ホアン・シンティン、黃歆庭):話の中心となる児
  • シエ・チーミン(ガオ・インシュアン、高英軒):児童預かり施設の職員
  • アードン(ショーン・リン、林敬倫):ルオナンの元恋人
  • アーユエン(阿Q、温慶禹):アードンのいとこ

等が出演しています。

予告PV

引用:Youtubeより引用。

あらすじ(ネタバレなし)

シーンは、「祈り」についての説明から入る。
この正解は自分たちの意識によってできており、意識すれば結果を変えられるという。そして、母の願いは娘ドゥオドゥオの呪いを解くこと。
それを手伝ってほしいと、視聴者に呼びかける。
ある印と「火佛修一 心薩嘸哞」の呪文をみせて。

母娘を呪いが襲う記録である。

果たして、娘の呪いを解くことはできるのか。
母娘が呪われた原因とは?

というのが、あらすじ。

感想

最近はやりのモキュメンタル・ホラー作品です。
また、台湾はホラーが活気であり、
ホラーゲームでも高評価を得た「返校~Detantion~」も台湾の作品。
結果として、「返校~言葉が消えた日~」として映画化もされています。

今回のテーマは「呪い」であり、事前にもお伝えしましたが、最近運がよくなかったことがあったなど気持ちが沈んでいる際には視聴はお勧めしません

モキュメンタル作品で、視聴者に訴える場面もあるため、
必要以上にのめり込む可能性があります。
ただ、これがそのまま作品の評価につながり、とても怖くスリルがあります。
なので、個人評価は★3/★5です!!!

この作品を見るには?

2024年2月17日現在、Netflixのみで視聴可能です。

シリーズ

本作品は、単品作品であり、現時点では続編は作成されておりません。

最恐の呼び声も高い韓国ホラー「コンジアム」

この作品を気に入っていただけた方は、この作品も見てみると楽しめるかもしれません。

コンジアム 個人評価:★4/★5

ということで紹介するのは、韓国ホラー「コンジアム」です。

ある動画配信サイトで心霊現象を検証・調査するチャンネルを運営するグループが再生数で一攫千金を狙って、世界7大心霊スポットと評される「コンジアム精神科病院」でライブ配信を試みる。

こちらの作品は「呪詛」同様、モキュメンタルホラーになります。

世界7大心霊スポットや撮影関係者の死の原因についても解説しています。

この作品を視聴するには?

「コンジアム」はU-NEXTNetflixにて見られるので、ぜひとも検索してみてください。

タバレする前に見たい方は、ここまででまずは視聴を!!

作品全容(ネタバレ)

娘との再会

シーンは変わり、母ルオナンは娘ドゥオドゥオを迎えに行くところから始まる。
ルオナンは新しくカメラを購入し、娘との再会からこれからの明るい未来を記録として納めることにした。

ルオナンはカメラをもって、いざ娘を里子に出した施設に迎えに行く。
そこで向かてくれたのは娘と職員のチーミンであった。
ドゥオドゥオはチーミンのことをパパと呼び、チーミンもドゥオドゥオのことを特別視していた。

ドゥオドゥオを迎え、新居での生活が始まる。
ルオナンはドゥオドゥオに「チェン・ラートン」という本当の名前を教える
ドゥオドゥオとルオナンはすぐに打ち解けた。

異変

異変はドゥオドゥオとの生活が始まった日から始まった。

大きな物音、突然ガラスが割れ、明かりがついたり消えたり、エレベーターからうめき声が、、、
慌てて逃げだすルオナン。
ドゥオドゥオの安否が気になり、ドゥオドゥオのもとに駆け付ける。
ドゥオドゥオは寝ており安心したのもつかの間。
ドゥオドゥオは「チェン・ラートン」という言葉を呻きながら、突然叫び始める。

超常現象調査隊

ここでシーンは変わり、6年前に記憶に遡る。

登場人物は動画配信サイトで超常現象調査隊「喃喃怪(ナンナングワイ)チャンネル」という3人組。
メンバーにはルオナンもいた。他の2人は、ルオナンの恋人であるアードンとその弟アーユエン。

今回の調査は、アードン・アーユエンの故郷にあるという儀式に潜入し、
故郷で絶対に入ってはいけないと言われている地下道に潜入すること。
迷信を打ち破ると言って息巻いている最中、車で何かを引く。

車を確認すると、タイヤに仏像が巻き込まれていた。
故郷で信仰されていたのはたしか仏母(ぶつも)と言われる女神。
すると、ルオナンは急に吐き気がするようになり、嘔吐する。

村に到着し、帰省したアードンとアーユエン。村の衆が二人を歓迎する。

ただ想定外であったのが、ルオナンは儀式には参加できないということであった。
儀式は親族だけ参加できるものだからである。
ただ、村の最長老のおばあさんがルオナンを気に入ったのか、ルオナンの手をみて、儀式の参加を許可する。

再び現在に

再び、現在に戻る。
ドゥオドゥオが幼稚園で他の子に危害を加えたとして、幼稚園に呼ばれる。
ドゥオドゥオを連れて帰り、理由を聞くと、変な子って言われたと。

その日、夜になると、ドゥオドゥオはルオナンに助けを求める。
天井に悪者がいるからどっかにやってほしいと。
ルオナンには見えないが、ドゥオドゥオの指示の元、悪者の手をつかみ外に出そうとするも逃げられてしまった。

幼稚園でも先生の話を聞くと、同じことを教室でも言っていると。
ルオナンはドゥオドゥオの部屋のぬいぐるみにカメラを仕込み、部屋の様子を撮影することにした。

ドゥオドゥオと話をすることにしたルオナンは、私も悪者を見たことがあると告白する。
そして、対処法をドゥオドゥオに教えた。
「好きなものを3つ思い浮かべて、目をとして大声で叫ぶ」と。

寝る間際になって、ドゥオドゥオはルオナンに問うた。
「ママは怪物が怖くなって、私を捨てたの?」
ルオナンは、「ママはもう怖くない」と答えた。

6年前の儀式

再び、6年前に戻り、儀式が始まる。

3人は自分の名前を書いた札を仏母に捧げた。
札には「火佛修一 心薩嘸哞(ホーホッシオンイーシーセンウーマ)」と書かれている。
村人は特徴的な手のポーズをし、仏母に祈りをささげた。
そして、10年後にも儀式に参加することを3人に命じる。
儀式の中心には女の子がいた。

すると、最長老のおばあさんが意味深なことをいった。
仏母も喜んでいると。
おなかの中の赤ちゃんの名前が決まったら、赤ちゃんの名前も捧げに来るようにと。
先ほどの嘔吐は呪われたからではなく、つわりだったのだ。

儀式は親族だけの場面になったため、超常現象調査隊の潜入が始まる。
儀式をばれないように覗いていると。先ほどの女の子にバレてしまう。
特にとがめられることはなく、ルオナンにだけ面白いものを見せてあげると小屋に連れてかれた。

小屋の中には仏壇・仏具の他、背中を向けた仏像に、天井から滴り落ち続ける血のようなもの。
女の子は、缶を持ってきた。その中にはカエルが飼われており、餌として髪の毛を与えていた。
ルオナンは女の子の耳がないことに気付く。
女の子は神に選ばれた子であり、みんなを守るために仏母に耳をささげたと語る。
すると、急に背中を向けていた仏像たちはこちらを向き、女の子が先ほどの呪文を唱え始めた。

その時、村人に立ち入り禁止の小屋に入っているのを見つかる。

ドゥオドゥオの誕生日

再び現在になり、ドゥオドゥオが誕生日を迎える。

ルオナンは現在の家を売り払って、引っ越すことに。
業者と話すため、ドゥオドゥオに待っているように伝える。
業者は屋上にある仏具が気味が悪いと話す。

一人になったドゥオドゥオに怪物が話しかけて屋上に誘導する。
隠されたナイフを見つけさせ、屋上の仏母の元へ誘導した。
ルオナンはドゥオドゥオが消えたことに焦り、仏母の前で見つける。
言うことを聞かなかったドゥオドゥオをルオナンが責めると。
急にドゥオドゥオの状態が悪くなり、急病センターに連れていくことに。
検査の結果、脳が原因で下半身不随になってしまった。

このころから、周囲にも異変が見られ始める。
まずは、里子施設の女性職員が自殺した。

子の名前

再び、6年前になる。
見つかった3人はこれ以上の悪行を働かないように閉じ込められる。

ただ3人には達成する目標があった。
最初に話していた地下道への潜入である。
また、ルオナンは女の子の行方も気になっていた。

何とか脱走し、見つからないように地下道への潜入を試みる。
その際に、アードンは体調不良のルオナンを見て子供の父親になることを決心し、
その子の名前を「チェン・ラートン」と名付けた。

親権剥奪

そのころ、ドゥオドゥオの周囲環境が良くないと通報が入り、裁判所から親権剥奪をルオナンは命じられる。
ただ、ルオナンはドゥオドゥオを手放したくなかった。

ドゥオドゥオは病院で検査・療養中。
(頭部CT画像が映し出され、コマ送りで見ましたが、正常なCT画像でしたね。)
ドゥオドゥオを手放したくないルオナンは病院からドゥオドゥオを連れて、逃走を図る。
元の家には警察の張り込みが。
そこに職員であり、ドゥオドゥオがパパと仰ぐチーミンが助けに入り、逃走を手伝う。

6年前の罪

地下道の前に付き、女の子が倒れているのを発見する。
女の子のからだ中には呪文が綴られ、他の動物と一緒に供え物?のようになっている。

アードンとルオナンは女の子の安否を心配するが、アーユエンの興味は入ってはいけない地下道。
アードンとルオナンはアーユエンを止めるが、アーユエンは地下道の扉を突き破ってしまう
すると、中からは赤ん坊の様な声が。
他の子どもがかくまわれているかもしれないとし、アードンも地下道に潜入することに。

時間がたち、女の子が苦しみ始める。
すると、ルオナンの股からも出血が。
地下道からは気が動転したアーユエンが逃げ出てきて、そのまま走り去る。
アードンは帰ってこなかった。

アードンは村人によって地下道から帰らぬ人となって回収される。
ルオナンはその場から逃げ出すことを決意するが、村全体が急に異変に包まれ、アーユエンも自殺し、ルオナンに襲い掛かる。
何とか、車に乗り込んだルオナンは村から逃げ出すことに成功した。

除霊

ルオナンとチーミンは高名な寺院に除霊を頼みに行く。

寺院で除霊を受け、7日間飲まず食わずにして、もう一回寺院に来るように命じられた。
原因は6年前のカメラだった。

何日間か耐えるも、ドゥオドゥオは体調を崩し、医者には食べさせるように命じられる。
医者にかかることもできず、見よう見まねで点滴を行うが、一向にドゥオドゥオの体調は良くならない。

ついには、ドゥオドゥオが好きなパイナップルを食べさせてしまう。

地下道の映像

一方、チーミンは原因を特定してどうにかするため、地下道映像の復元を試みていた。
その過程で、チーミンも体を蝕まれていた。

チーミンが注目したのは、村人が行っていた手の形。
これは福を集める「八方天」の手の形を逆にしたもの。
福をばらまくということ?

また、映像に映っていた絵画や宗教文字からヒントを得て、これを解読することができるインドの和尚の元を訪れる。
チーミンは和尚が信者の素性や呪文の意味について語る動画をルオナンに送った。
地下道の映像はもう復元できているとのことであったが、送らないと語っている。
チーミンはその後、正気を失い、自分の名前を連呼しながら机に頭を何度も叩きつけて呪い殺されてしまう。するとその時、ルオナンの元には送られてくるはずのない地下道の映像がチーミンから送られてきた。

今度はドゥオドゥオが痛みを訴え始める。
ドゥオドゥオのからだ中には大量の斑点の様なあざと出血が。
パイナップルを吐き出させ、先ほどの寺院に助けを求めに行く。

寺院では和尚の姿が消えており、その妻は呪われて襲ってきた。
そのまま妻は死に至ったが、ドゥオドゥオが姿を消し、
気づけば宙に浮かんで地面にたたきつけられてしまった。

呪文の意味

インドの和尚によると、呪文は古い宗教の呪文であり、訪れた村の信者たちは大黒仏母(ダイコクブツモ)という邪神を崇拝する過程で業を代々引き継いでおり、その業から身を守るための呪文。

祈る力が多ければ多いほど、祈りの力は強くなり、守られるとして視聴者に呼びかける

救急搬送されたドゥオドゥオは状態は安定しているが、重度の脱水と栄養失調に見舞われていると医師の説明を受ける。

病院の待合室で待つルオナンはふと、送られてきた地下道の映像を見ることにした。

すると、歩けないはずのドゥオドゥオが歩いて病院を出ていった。
その後、体中に呪文が書き綴られた10代女性が倒れているニュースが入る。

その後、ドゥオドゥオも意識不明の状態で見つかった。

ルオナンはもう一度、神に選ばれたこの耳をささげるため、体中の呪文をカメラに収めたのちに耳を削ぎ取って逃走する。

懺悔

ルオナンはまた視聴者に呼びかける。まずは地下道の映像を見てほしいと。

地下道では赤ん坊の声に導かれながら、アードンとアーユエンが奥へと進んでいく。
すると、奥には顔が隠された邪神の仏像があった。
その後、アードンは顔を除いた瞬間、正気を失い、アーユエンを襲う。

場面は戻り、再びルオナンは視聴者に呼びかける。
ルオナンはドゥオドゥオに懺悔し、自分の名前・母であるルオナンのことを忘れるように伝える。
そして、ルオナンは全身に女の子と同様の呪文を書き綴り、地下道に向かう。

地下道に到達し、ルオナンにもドゥオドゥオ同様のあざが出始める。

先に進み、仏母の像の前に到達。
すると、インドの和尚のによる呪文の翻訳を説明し始めた。

呪文と印を見せながら、その翻訳を英語で表記した。
Hou Ho Xiu Yi Si Sei Wu Ma ホーホッシオンイーシーセンウーマ
Silent Bless Silent Pray 静かな幸福 静かな祈り
Holy Hell Heven Spell Death Summon Life 聖 地獄 天国 呪文 死 召喚 生
Connect Wish Connect Fate 願いに繋げろ 運命に繋げろ
Link Birth Offer Take Circle Balance Share Suffering 接続 出生 供 受 円 調和 分ける 苦
Buddha Mother Yours Mine God One ブッダ 母 あなた 私 神 神
Spread Join Agony Deity Sacrifice 拡散 参加 苦しみ 神 犠牲
Sprit Meat Soul Blood flesh Mind 精神 身体 魂 血 肉 
Hou Ho Xiu Yi Si Sei Wu Ma ホーホッシオンイーシーセンウーマ
We Are All One We Are All One 私たちは全員で一つ 私たちは全員で一つ
Recite Chant Recite Chant 朗吟 詠唱 朗吟 詠唱 
Names To Share Fate Connects 名前は運命のつながりを共有するため
Names To Share Fate Connects 名前は運命のつながりを共有するため
Pray Silently Pray Silently 静かに祈れ 静かに祈れ
Answer Your Name Silently 静かに名前を答えろ
Answer Your Name Silently 静かに名前を答えろ
Do I Wish I Agree I Agree 願うのか 私は賛成する 私は賛成する

そして、ルオナンは視聴者に嘘をついたと懺悔する。

インドの和尚の動画の続きが流れる。
ホーホッシオンイーシーセンウーマ」という呪文。
これは呪いの呪文がなまったもので、祈りの言葉ではなく、
その意味は「自らの名前を捧げて、ともに呪いを受ける」。

要は、仏母の呪いを他人に分けるための呪文だった。

つまり、ルオナンは呪いの力弱めるために視聴者に見せたわけである。
つまり、視聴者は呪われたわけだ。

仏母の顔には呪いの力が集中しており、だからこそ信者は顔を見ないように隠していた。
最後に自分は見ないように目隠しをして、仏母の顔を視聴者に見せる

END

これが、作品の全容になります。

まとめ

まとめると、こういうことになる。

6年前に動画配信のために村に向かった3人組、ルオナン・アードン・アーユエン。

ルオナンとアードンは恋人同士で、ルオナンはアードンの子供を身ごもっていた

だから、親戚として儀式にルオナンは参加できるようになった。

儀式に参加したルオナンは仏母に名前を捧げ、呪われる
その際に、子の名前が決まったら仏母に捧げるように言われる。

アードンは子の名前を「チャン・ラードン」と命名し、仏母に名を捧げてしまい子も呪われる

3人はその後、入ってはいけない地下道に入り、撮影カメラで仏母を収めてしまう

ルオナンはチャン・ラードンを生み、怪奇現象に見舞われて、怖くなり里子に出す。

里子では「ドゥオドゥオ」の名で生活していたため、怪奇現象が落ち着く。

ルオナンが決心し、ドゥオドゥオを里子から戻し、真の名前を教えてしまう。
呪いが再燃。

怪奇現象に見舞われ、周囲を巻き込み、被害が拡大。

呪文のルーツ・真の意味を知り、映画として視聴者に呪いを拡散して薄めることを実行する。

実は実話をもとにしている。

監督のケビン・コーは本作品の元ネタとして台湾で起きたある事件をベースにしていると明かしています。

元ネタは2005年に起きた通称「高雄一家六口起乩」と呼ばれる事件。
ある家族6人がそれぞれ別の神に憑りつかれ
自分が本物の神と信じてお互いをの罵りあい、暴行を加えあう。

最終的には最大の悪を長女とし、監禁・暴行を加え、餓死に至らしめた。
長女の死後も家族は長女ではなく悪魔が死んだだけだと主張し、
最終的には残った家族は全員無罪となった。

この事件の内容をベースとして本作品は描かれていると監督は語っている。

呪いを信じる?呪いの正体とは、、、

今回は、本作品の題材ともなりました「呪い」について、話していきたいと思います。

呪いを扱った作品の中には親から子へと引き継がれていくものがあります。
例えば、ヨーロッパのある王族では「王室病」として代々引き継がれていく呪いがありました。
今回はこのある王族を襲った「呪い」で明かされた事実について説明していきたいと思います。

ある王族の男性にかかった呪い、「王室病」とは?

これはある王族を襲った「呪い」が実は病気が原因であった話。

ある王族とは、ヴィクトリア女王で有名なヨーロッパ王室。
この病気はヴィクトリア女王が最初の保因者として考えられており、
ヴィクトリア女王からヨーロッパ各国の王室へと広まっていきました。

しかし、症状を発症したのは男性のみ
その症状に共通することは、血が止まらないことです。

後にわかったこの呪いの正体、病名を血友病と言います。

血友病

血友病は、
出血を止めるための因子(凝固因子)を体で作る能力が欠損している病気になります。

人間の体で働く凝固因子は12種類(第I~XII因子)存在しますが、
どの凝固因子が欠損しているかによって、以下のように分類されます。

血友病の分類とその原因となる凝固因子の対応表の画像
血友病の分類とその原因となる凝固因子

では、なぜ血友病が代々、王室貴族に受け継がれてきたのか。
そして、なぜ男性に発症したのか。
答えは「血友病は遺伝性疾患であるから」です。

そして、血友病の遺伝様式はX染色体劣性遺伝となります。
これが、男性に発症した理由です。
次の項で解説したいと思います!!

なぜ、男性ばかりに発症したのか?

先ほどお伝えしたように、血友病の遺伝様式はX染色体劣性遺伝です。
これが、男性に発症する理由です。

ただ、これを理解するためには、まず基本的なことを理解せねばなりません。

DNA、染色体の基本事項

まずは「X染色体劣性遺伝」の「X染色体」についての説明です。

よくDNAという言葉をお聞きになったことがあると思います。
DNAは体を構成する要素をプログラムのコードのように情報として保持するものであり、
これが人間の形を構成し、体内の活動を制御しているわけで、
DNAの微妙な違いが人間1人1人の違いを生み出しています。

そして、このDNAがある程度の束となって構成しているものが染色体です。
人間の場合、23種類の染色体が2対ずつの計46本があります。
そして、この中でも性染色体と呼ばれる染色体が2本(1対)存在します。

この性染色体は、X染色体Y染色体があり、この組み合わせが生物学的に男女を決定しているわけです。
そして、男性がXY、女性がXXの組み合わせとなっています。

つまり、何が言いたいかというと、
今回原因となっている血友病の遺伝子がX染色体に含まれるということです。
つまり、Y染色体上には存在しません。

親から子が生まれる際には、
父親から精子で1対(22本+X or Y)の染色体が、
母から卵子で1対(22本+X)の染色体が合わさり、
新たに子の2対(44本+XX or XY)が形成されます。

これが「X染色体劣性遺伝」の「X染色体」の部分の説明となります。

遺伝子における優性・劣性とは?

続いて、「X染色体劣性遺伝」の「劣性」についての説明になります。

先ほど、染色体はDNAで構成され、DNAはプログラムのコードであり、そのコードの違いがその個体差を生みます。
そして、この違いが「優性」と「劣性」です。

なお、ここで注意です。
名前に惑わされないでください。
「優性」だから優れている、「劣性」だから劣っているわけではありません。
これはただの違いです。

それでは、ここから具体的に説明していきます。
ここからは、ある遺伝子Gの「優性遺伝子」をGA、「劣性遺伝子」をGaとします
先ほど、ご説明した通り、性染色体を除いて染色体は2対ずつ存在します。
このそれぞれに遺伝子があるため、
ある遺伝子においての組み合わせはGAGA・GAGa・GaGaの3通りがあることになります。

ここで、ルールとして、GAはGaより強いということ。
つまり、GAGAGA、GAGaGA、GaGaGaとして結果が現れます。

これが「優性」・「劣性」の説明とルールになります。

いままでのルールを血友病に当てはめてみる。

では、ここまでの説明をもって、血友病で考えてみましょう。
血友病の原因遺伝子はX染色体上にあるため、「優性」をXA、「劣性」をXaとします。
血友病は劣性遺伝であるため、Xaの結果となっている状態を指します。

Y染色体上には血友病遺伝子はないため、男性の場合はXAYあるいはXaYが考えられます。
これはそのまま結果として現れるため、XAYXAXaYXaとして結果が現れます。
つまり、父が血友病(Xa)であった場合は、父の遺伝子は必ずXaYになります。

女性の場合は、XAXA、XAXa、XaXaが考えられるため、
先ほどのルール通り、XAXAXAXAXaXAXaXaXaとして結果に現れます。
逆に言えば、母が血友病(Xa)であった場合は、母の遺伝子は必ずXaXaになるわけです。
そして、XAXaの場合は保因しているが、発症はしない状態となります。

母親は卵子を作る際に、2対のX染色体のうちどちらかが選ばれます。
このため、XAXAであればXAXAXaであればXA or XaXaXaであればXaになります。

父親は精子をつくる際に、X染色体とY染色体のどちらかが選ばれます。
このため、XAYであればXA or YXaYXa or Yになります。

子の遺伝子は母と父の遺伝子を一つずつもらって作られるため、以下の表の通りとなります。

両親から生まれる子の遺伝子対応表の画像
両親から生まれる子の遺伝子対応表の

この表の通り、
男児は必ず父からY染色体をもらうことになり、X染色体は母からもらうことになります。
このため、
母が保因者(XAXa)であれば50%の確率で血友病となり、
母が血友病(XaXa)であれば、100%の確率で血友病となります。

一方、
女児は父から必ずX染色体をもらうことになり、もう一方のX染色体は母からもらうことになります。
このため、
父が血友病かつ母が保因者あるいは血友病で初めて血友病になる可能性があります。
ここまで、条件がそろうことは少ないことはなんとなくわかりますよね。

故に、血友病の発症は男児に多い結果となるわけです。

ヨーロッパ王室ではヴィクトリア女王が最初の保因者とされており、
その後、ヨーロッパ王室に血友病の原因遺伝子が広まる結果となり、「呪い」に変貌しました。
そして、上記の理由で王子に発症する「王室病」として後世に語り継がれる結果となったわけです。

呪いは悪い呪いだけではない。気持ちも大事。

古来から「病は気から」という言葉があります。

私が気を落としている時に観る映画がこちら!!
ジム・キャリー主演「イエスマン」です!!

この作品は、なんにでも「No」と答える冴えない主人公が、
なんにでも「Yes」と答える宗教と出会って、人生が変わる話です。

気持ちは、やる気であり原動力です。
気持ちがいい方向に向かっていなければ、結果がついてこないことは多々あります。

この映画は、それを体現したような映画です!!
私も気持ちが落ち込んだ時には、この映画をよく見ています。

ぜひ、みなさんにも見ていただきたいです!!

結語

今回は、Netflix Original「呪詛」をご紹介いたしました。

私自身は「呪い」と「祈り」はどちらも「願い」の力であり、
それは思いを言語化することで成り立ち、それは言葉に由来するものと思っています。
だからこそ、言葉は人を喜ばせも傷つけることもでき、その力が言葉にはあると思っています。

医師をする上で何気ない言葉には破壊力があることを実感することがあります。

例えば、「頑張りましょう」という言葉。
励ましの言葉ですが、頑張っている患者さんからしたら、つらい言葉になりかねません。

他にも、「おめでとう」という言葉。
相手を祝福する言葉ですが、中にはまだつらい思いをしている患者さんもおられます。

幸福を祝う言葉でも、相手の環境次第ではそれは呪いの言葉になりうるわけです。
ただ、言葉を使うのは医師に限りません。
誰しもがその状況になりうります

考えて話すことは、最初はストレスになるとも思いますが、
慣れれば苦にはならないので言葉は「呪い」にもなりうることを皆さんも肝に命じましょう!!

では、また、お会いしましょう!!

プロフィール

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